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岡田以蔵の絆礼装「あの日の空」
岡田以蔵の絆礼装の解説
「あの日の空」イラストレーター「たつよ」
わしの剣は天下一じゃとあいつらは囃し立てた。わしもそう思うたし、事実、わしには誰も敵わなかった。
あいつらがわしにしかできんと頼むから、わしもそうかと思い剣を振るうてやった。
あいつらはわしを天誅の名人と誉めそやし、金も大層くれるしでわしもええ気分じゃった。わしを馬鹿にしとった連中が、わしを恐れて道の端を歩くようになった。まっことええ気分じゃし、ええ空じゃ。
だがそのうち、あいつらはわしを犬でも見るような目で見るようになった。天下国家がどうのこうのと難しい話でわしを仲間はずれにしよる。気に食わん、せっかくのええ空なのに、気に食わん。
そのうちわしは一人で京の町をうろつくようになった。金もないし、腹も減った。ええ空なのに、わしは動くのもおっくうじゃ。もう何でもええ。
何がどうしてこうなったかはわからん。どこでどう間違えたのかもわからん。わしは頭が悪いきに、たぶんどこかで間違えたんじゃろう。いや、もしかしたら最初から間違えとったのかもしれん。川原であいつらと遊んどった頃は間違えとらんかったじゃろうか。
―――ええ空じゃ、澄み渡るようにええ空じゃ。
普通に泣ける礼装